移動式プラネタリウム/エアドームの安全対策について
このページは、当社の安全に対する考え方とその対策について記述しております。新型コロナウイルス感染症の感染防止のため、令和2年2月27日、政府は感染防止のための措置を要請[1]しました。これを請けて厚労働省は3月1日に「新型コロナウイルスの集団感染を防ぐために」[2]の中で「イベントをを開催する方々は、(中略)風通しの悪い空間をなるべく作らないなど、イベントの実施方法を工夫してください。」と発表しました。また、同省が3月19日に発表した「新型コロナウイルス感染症対策の状況分析・提言」を精読し、「3つの条件が同時に重なる場」(3密リスク)を作らないという事を念頭に置き、当社では安全規範として当ページに記載した考え方に基づいて行動しています。
時は進み、地球は回っています。考え方も常に変化しています。内閣府が令和3年11月12日に発表した「次の感染拡大に向けた安心確保のための取組の全体像」に基づき、様々な制限を一定程度緩和する政策を受けて、国民の仕事や生活の安定・安心を支える日常生活の回復に寄与すべく、移動式プラネタリウムを実施して参ります。
合同会社プラネタリウムワークス 代表社員 唐崎健嗣
最終更新:2023年1月10日
最終更新:2023年1月10日
結論
- 定員は、従来の半数程度とし、気積を確保して運用しています。(5mドーム:15人程度、7mドーム:25人程度、10mドーム:60人程度)
- 当社が移動式プラネタリウムを投映する時には、マスクの着用や消毒などの基本的な安全対策と、十分な換気を行い、安全衛生に注意しながら実施しています。
- エアドームは送風機からの空気圧で自立しています。つまりエアドーム内は常に強度の換気が行われていると認識して実施しています。
- 感染防止のため最新の情報収集を行うとともに、新たな対策や要請が出た場合には迅速に対応します。
- 主催者側から実施の延期や中止の要請があった時には、キャンセル料等は原則頂いておりません。
- 当社解説員は、毎日の健康観察を実施し、ワクチンは4回以上接種済みです。
実際の運用について
実施状況
(2022年8月末更新)- 令和2年春の緊急事態宣言発出後から2022年8月末日までの当社の実施状況は、ご依頼のあった施設において、移動式プラネタリウムを安全に実施しております。投映した施設は保育園、幼稚園、小学校第四学年および第六学年で、エアドーム内の定員は、従来の半分とし、徹底した感染対策と体調管理のもと、通常の投映プログラムを実施しています。令和2年度は、6月までは投映は休止していました。7月以降、幼保園5園、小学校35校です。令和3年度は、幼保園13園、小学校52校、学童・公共施設・イベント等が11件です。令和4年度は8月末日までに、幼保園4園、小学校6校、中学校1校、学童・公共施設・イベント等が10件です。
- 子どもたちの反応はとても良く、先生方も、あっという間の投映だったいう声が聞かれました。とても楽しんでいただけたようでした。
- 従来行っていたプラネタリウムや科学館への遠足・社会見学が実施できなくなったため、プラネタリウム施設がある自治体の施設からもご依頼を受けております。公共交通機関を使った外出のリスクから解放され、移動時間が節約でき、有意義でしたとのご感想を頂いております。
今後の実施について
- 幼保園や小中学校に関しましては、施設内での感染防止状況が良好な場合には、実施して問題ないと判断できます。
- PTA活動や学童などの投映会も、上記小中学校に準じます。
- 児童館や公民館、図書館などの自主事業などは、不特定多数の入場が見込まれる場合には、入場者の状況把握(体温測定や連絡先の記録)が必要となります。プラネタリウム施設での実施方法などのノウハウはありますので、実施を検討されている場合はお問い合わせください。
- ショッピングモール等のイベントも、児童館や公民館、図書館と同様に、不特定多数の入場が見込まれるため、入場者の状況把握(体温測定等)が必要となります。学校に比べて人と人との距離を多めに取る事により定員が25人程度(7mドームの場合)となります。5mドームの場合には15人程度です。積極的に対応いたしますので、実施を検討されている場合にはお問い合わせください。
【新型コロナウイルスに関連した感染症対策に関する対応】について
- 文部科学省より、2021年11月22日に「学校における新型コロナウイルス感染症に関する衛生管理マニュアル~「学校の新しい生活様式」~」の改訂について(令和3年11月22日)が発表されました。あわせて19日に発表された新たな「新型コロナウイルス感染症対策の基本的対処方針」の決定について(令和3年11月19日)も踏まえ、安全に移動式プラネタリウムが実施できるように配慮いたします。
緊急事態宣言の解除を請けて
- 2021年9月30日をもって東京都に発出されていた緊急事態宣言は解除されました。当社は、解除後も引き続き感染拡大の防止措置を行いながら、事業継続してまいります。内閣官房や厚生労働省、東京都から情報を収集し、デマや噂に踊らされないように注意してまいります。(2021年10月1日記)
一年を超える感染防止対策で蓄積されたノウハウ
- 令和2年の緊急事態宣言発出から一年が過ぎ、当初はひたすら情報収集に努め、どのような対策を行えば感染が生じないかのノウハウが蓄積されました。令和3年度が始まった事もあり、事態を正確に把握しながら、移動式プラネタリウムを実施しております。刻々と変化する状況での延期や中止の場合はキャンセル料は頂きません。主催者様の意向を最大限に尊重して行動いたします。詳細はお問い合わせください。(2021年6月21日記)
CDCと文部科学省のレポートについて
- 2021(R3)年4月5日、CDCより「主な感染経路は飛沫感染であり、物質表面に付着したウイルスからの接触感染のリスクは極めて低い」というレポート(英文)が発表されました。我々が一年間を通して会得した知見と近いものがあると感じています。従来通り機器の消毒清掃も実施しますが、それよりも、手洗い・マスク・三密の回避を、より徹底する所存です。
- 文部科学省より「学校における新型コロナウイルス感染症に関する衛生管理マニュアル~「学校の新しい生活様式」~」の改訂についてが公開されました。地域の感染レベルに応じた学校活動の指針が示されており、移動式プラネタリウムは第3章に記述がある『理科における「児童生徒同士が近距離で活動する実験や観察」』に該当すると思われ、指針に従い実施の可否を検討してまいります。また、35~36ページに記載された、換気の要領と機器による二酸化炭素濃度の計測を参考にしつつ、密環境にならないように留意して実施してまいります。
解説
移動式プラネタリウムの換気について
- 人が集まると二酸化炭素を排出します。閉鎖空間に複数の人がいると、やがて酸素が欠乏し呼吸困難等の症状が発生する可能性があります。このような事故を防ぐため、建築基準法や建築物衛生法、労働安全衛生法の中に、換気について定められています。映画館やホール等では、さらに興行場法[3]で、より明確に定められています。
- 興行場法は、該当する施設を使用するには、都道府県知事の許可を得るように定義されており、各都道府県はそれぞれ興行場に関する法令等を制定しています。
- そもそも当社が実施している移動式プラネタリウムは、興行場法に定められる施設にあたらず、このような法規は適用されませんが、当社は、参加される方の安全衛生を守る観点から、この換気基準に適合するように運用することとしました。
- 当社の所在地は東京都江戸川区です。換気のための目標数値は、東京都福祉保健局[4]の定める「興行場の構造設備及び衛生措置の基準等に関する条例」に基づき「興行場の構造設備及び衛生措置の基準等に関する条例施行規則」第六条第一項に記述されている、床面積一平方メートルごとに毎時75立方メートルとしました。
- 当社が使用しているエアドームの床面積は、5mドームで約20平方メートル、7mドームで約38.5平方メートルです。必要換気量は、5mドームで毎時約1,500立方メートル、7mドームで毎時約2,890立方メートルです。これに対して送風機は、スイデン社のSJF-300RS型で、最高速運転時は毎時3,000立方メートルの送風能力を有したものを使用しています。
- 【2020年3月31日追記】厚生労働省が2020年3月30日に公開した「換気の悪い密閉空間を改善するための換気の手法」(現在はリンクが切れているようです)に基づき、必要換気量として一人あたり毎時30立方メートル以上という数字が提示され、これを満たしていれば「換気が悪い空間」には当てはまらないという解釈がされました。もちろんこれは3密リスクの1つを回避しているに過ぎず、感染予防策を確実に実施する事に変わりはありません。ここで出てきた一人あたり毎時30立方メートルを新たな数値目標として、感染予防策を再策定しました。
- 具体的には、エアドームの底面積で流量を決めるのではなく、中に入る人の人数で流量を決めます。たとえば5mドームで30人入った場合には、毎時900立方メートルの空気を送るように送風機の回転数を制御します。前回の策定ではこれより大きな数字を掲げていたので、今回求められる数値に変更いたします。必要とする送風量が少なくなりましたので、より静寂性の良い送風機を使い、内部での風切音低減策とします。
- 【2020年11月27日追記】厚生労働省が2020年11月27日に公開した「冬場における「換気の悪い密閉空間」を改善するための換気の方法」に基づき、当社が実施している換気対策を見直しました。その一つとして、換気状況をモニターするために二酸化炭素濃度測定器を購入し、エアドーム内のモニターを開始しました。同書に書かれているように、測定値を鵜呑みにせず、その測定方法と数値の意味する事を理解し、適切な換気状況が保たれるように努めます。
- 【2021年12月29日追記】二酸化炭素濃度測定器を一年間使用してみて、ドーム内の換気状況モニターは有益である事が、わかりました。表示される絶対値の確からしさは実証できませんが、ドーム内の人数と滞在時間に対して強い相関が認められますので、ドーム立ち上げ時の数字を基準として運用しています。
実施者としての健康管理
- 当社の解説は、代表の私(56歳男性)一人で実施しています。年一回の法定健康診断は受診しております。毎朝と夜の体温測定を行ったり、体調を確認するなどして健康管理に務めています。2021年6月14日に、旅行会社主催の講演会講師を担当する際に、唾液によるPCR検査を受け、陰性との判定を受けております。
- 私の個人的な嗜好ですが、飲酒しませんので、接待を伴う飲食店には行きません。また、混雑している繁華街への外出も極力控えています。
- 毎日の体温測定の結果は、ツイッターのハッシュタグ#毎日体温にて公表しています(個人的なページとなります)。測定を公表開始した2020年3月17日から現時点まで、37.5℃を超える高熱は出ておりません。それ以前にも重篤な罹患歴はありません。
- 2020年6月22日より、厚生労働省が推奨している「接触確認アプリ」を導入し、常時スマートホンを携帯しています。使用開始から現時点まで、陽性者との濃厚接触通知は、ありません。要請があれば、いつでも画面を提示いたしますのでお申し付けください。
- 信頼のおける情報取集手段として、各省庁や地元自治体のWebサイトの他、LINE上で東京都が運営している東京都 新型コロナ対策パーソナルサポートを活用しています。
安全で楽しいプラネタリウムを目指して
- 新型コロナウイルスの感染状況は日々変化しており、対策についても政府、医療機関、各自治体で必死の対応を実施しています。私たち国民も最大限の感染予防に務めています。当社は、疲弊している方に寄り添い、星を見る時間、宇宙を見つめる時間を通して、ふたたび心にゆとりを取り戻し、楽しく朗らかな日々を送る事ができるように、プラネタリウムの投映を通して貢献できればと考えております。
事態の推移に対応するために
- 【参考】文部科学省から発出されている情報は、幼小中高・特別支援学校に関する情報ページにまとまっています。
- 【2021年06月21日追記】文部科学省が6月21日に発表した「新型コロナウイルス感染症対策の基本的対処方針の変更等について(令和3年6月18日)」を参考にして、当ページに加筆修正を行いました。
- 【2020年11月27日追記】文部科学省が11月27日に発表した「冬場における「換気の悪い密閉空間」を改善するための換気の方法」を参考に、加筆修正を行いました。該当ページのリンク先は冬場における「換気の悪い密閉空間」を改善するための換気の方法についてと、その他、換気に関する資料等です。(厚生労働省のリンク先が時折変更されるので記述しました)
- 【2020年10月03日追記】文部科学省が10月2日に発表した「業種別ガイドライン」を参考に、加筆修正を行いました。
- 【2020年09月04日追記】文部科学省が9月3日に改訂した「「学校における新型コロナウイルス感染症に関する衛生管理マニュアル~「学校の新しい生活様式」~」の改訂について」(別添資料)に基づき、加筆修正を行いました。
- 【2020年08月07日追記】文部科学省が8月6日に公開した「学校における新型コロナウイルス感染症に関する衛生管理マニュアル~「学校の新しい生活様式」~」に基づき、加筆修正を行いました。
- 【2020年07月26日追記】感染者数が増えてきましたので改めて対策を確認し、このページを更新しました。あわせて実施状況について記述を追加しました。
- 【2020年05月22日追記】東京都が同日公開した新型コロナウイルス感染症を乗り越えるためのロードマップ~「新しい日常」が定着した社会の構築に向けて~と、5月7日の追記を加味して、このページを更新しました。
- 【2020年05月07日追記】厚生労働省が同日公開した「新しい生活様式」を考慮して、投映再開に向けた実施指針の作成をはじめました。
よくある質問(エアドームの安全対策について)
- マスクは有効ですか?
- 厚生労働省の「新型コロナウイルス感染症について」のページに書かれている「新型コロナウイルス感染症の予防[5]」に基づいて有効と判断しています。
- アルコール消毒は有効ですか?
- 日本感染症学会の「院内感染対策講習会Q&A資料[6]」に基づいて有効と判断しています。
- エアドームの中の空気の量(体積)は、どれくらいですか?
- 5mドームで33立方メートル、7mドームで90立方メートル、10mドームで262立方メートルです。
- エアドームの中の空気は、何分くらいで入れ替わりますか?
- 5mドームで2分弱、7mドームで6分程度で入れ替わります。10mドームは、現在測定中ですが20分弱と推定しています。
- 東京都以外の換気に関する規則は、どうなっていますか?
- 具体的数値を提示していない自治体や、炭酸ガス濃度で規定する自治体もあります。当社は、捉えやすい数値を規定している東京都の値を用いました。(神奈川:60m^3/h/千葉:N/A/埼玉:炭酸ガス濃度定義/栃木:75m^3/h/茨城:40m^3/h/群馬:75m^3/h)
- 移動式プラネタリウムを実施するにあたり、興行場法の許可を得る必要はないのですか?
- 興行場法は、公衆に対して見聞かせする場合のもので、主催者から依頼を受けた移動式プラネタリウムには不要と判断しています。
- 私は、解釈が違うと思うのですが。
- いろいろと調べたつもりですが、専門家には聞いていませんので、誤りがありましたらご指摘ください。
お問い合わせ
- このページに関するご質問やご意見などは、お問い合わせページよりお願いいたします。
脚注
- [1]新型コロナウイルス感染症対策本部(第15回)のページ[首相官邸]
- [2]「新型コロナウイルスの集団感染を防ぐために」(PDF)[厚生労働省]
- [3]興行場法概要/生衛業対策のページ[厚生労働省]
- [4]東京都福祉保健局>環境・衛生>生活の衛生>興行場のページ[東京都福祉保健局]
- [5]「新型コロナウイルスを防ぐには」(PDF)[厚生労働省]
- [6]院内感染対策講習会Q&A[日本感染症学会]