移動式プラネタリウム/エアドームの安全対策について
このページは、当社の安全に対する考え方とその対策について記述しております。このページを作成した2020年春は、新型コロナウイルス感染症対策で頭がいっぱいであり、その対応を記述し整理していました。2023年5月8日、新型コロナウイルス感染症の対応が節目を迎える事となり、改めて事業を実施する際の安全対策について、事業者目線で記するページとする事としました。
合同会社プラネタリウムワークス 代表社員 唐崎健嗣
最終更新:2023年5月1日
最終更新:2023年5月1日
結論
- 定員は、従来の半数~7割程度とし、気積を確保し、換気を重視して運用しています。(5mドーム:15~20人程度、7mドーム:25~30人程度、10mドーム:60人程度)
- エアドームは送風機から常時供給される外気で自立しています。つまりエアドーム内は常に強度の換気が行われており、換気は十分と認識しています。
- 感染防止のため最新の情報収集を行うとともに、新たな対策や要請が出た場合には迅速に対応します。
- 当社解説員は、毎日の健康観察を実施し、ワクチンは5回接種済みです。
実際の運用について
実施状況
(2023年4月末更新)- 令和2年春の緊急事態宣言発出後から2023年4月末日までの当社の実施状況は、ご依頼のあった210の施設において、600回を超える投映行っております。エアドーム内の定員は従来の半分程度とし、徹底した感染対策と体調管理のもと、通常の投映プログラムを実施しています。
- 参加者や子どもたちの反応はとても良く、先生方も児童の喜ぶ姿に安心したという声が聞かれ、とても楽しんでいただけたようでした。
- 従来行っていたプラネタリウムや科学館への遠足・社会見学が実施できなくなったため、プラネタリウム施設がある自治体の施設からもご依頼を受けております。公共交通機関を使った外出のリスクから解放され、移動時間が節約でき、有意義でしたとのご感想を頂いております。
今後の実施について
- すべての施設において、施設内での感染防止状況が良好な場合には、実施して問題ないと判断しております。
- 制限が解除されたからと言って、何でもかんでもOKという風潮はいただけません。安全管理を徹底しつつ、楽しめる空間を演出できるように努めて参ります。
事態の推移に対応するために
- ◆参考:学校関連◆文部科学省から発出されている情報は、幼小中高・特別支援学校に関する情報ページにまとまっています。
- ◆参考:イベント関連◆文化庁から発出されている情報は、基本的対処方針に基づくイベントの開催制限、施設の使用制限、業種別ガイドライン等の取組の廃止に当たっての留意事項についてページにまとまっています。
解説
移動式プラネタリウムの換気について
- 人が集まると二酸化炭素を排出します。閉鎖空間に複数の人がいると、やがて酸素が欠乏し呼吸困難等の症状が発生する可能性があります。このような事故を防ぐため、建築基準法や建築物衛生法、労働安全衛生法の中に、換気について定められています。映画館やホール等では、さらに興行場法[3]で、より明確に定められています。
- 興行場法は、該当する施設を使用するには、都道府県知事の許可を得るように定義されており、各都道府県はそれぞれ興行場に関する法令等を制定しています。
- そもそも当社が実施している移動式プラネタリウムは、興行場法に定められる施設にあたらず、このような法規は適用されませんが、当社は、参加される方の安全衛生を守る観点から、この換気基準に適合するように運用することとしました。
- 当社の所在地は東京都江戸川区です。換気のための目標数値は、東京都福祉保健局[4]の定める「興行場の構造設備及び衛生措置の基準等に関する条例」に基づき「興行場の構造設備及び衛生措置の基準等に関する条例施行規則」第六条第一項に記述されている、床面積一平方メートルごとに毎時75立方メートルとしました。
- 当社が使用しているエアドームの床面積は、5mドームで約20平方メートル、7mドームで約38.5平方メートルです。必要換気量は、5mドームで毎時約1,500立方メートル、7mドームで毎時約2,890立方メートルです。これに対して送風機は、スイデン社のSJF-300RS型で、最高速運転時は毎時3,000立方メートルの送風能力を有したものを使用しています。
- 【2020年3月31日追記】厚生労働省が2020年3月30日に公開した「換気の悪い密閉空間を改善するための換気の手法」(現在はリンクが切れているようです)に基づき、必要換気量として一人あたり毎時30立方メートル以上という数字が提示され、これを満たしていれば「換気が悪い空間」には当てはまらないという解釈がされました。もちろんこれは3密リスクの1つを回避しているに過ぎず、感染予防策を確実に実施する事に変わりはありません。ここで出てきた一人あたり毎時30立方メートルを新たな数値目標として、感染予防策を再策定しました。
- 具体的には、エアドームの底面積で流量を決めるのではなく、中に入る人の人数で流量を決めます。たとえば5mドームで30人入った場合には、毎時900立方メートルの空気を送るように送風機の回転数を制御します。前回の策定ではこれより大きな数字を掲げていたので、今回求められる数値に変更いたします。必要とする送風量が少なくなりましたので、より静寂性の良い送風機を使い、内部での風切音低減策とします。
- 【2020年11月27日追記】厚生労働省が2020年11月27日に公開した「冬場における「換気の悪い密閉空間」を改善するための換気の方法」に基づき、当社が実施している換気対策を見直しました。その一つとして、換気状況をモニターするために二酸化炭素濃度測定器を購入し、エアドーム内のモニターを開始しました。同書に書かれているように、測定値を鵜呑みにせず、その測定方法と数値の意味する事を理解し、適切な換気状況が保たれるように努めます。
- 【2021年12月29日追記】二酸化炭素濃度測定器を一年間使用してみて、ドーム内の換気状況モニターは有益である事が、わかりました。表示される絶対値の確からしさは実証できませんが、ドーム内の人数と滞在時間に対して強い相関が認められますので、ドーム立ち上げ時の数字を基準として運用しています。
実施者としての健康管理
- 当社の解説は、代表の私(57歳男性)一人で実施しています。年一回の法定健康診断は受診しております。毎朝と夜の体温測定を行ったり、体調を確認するなどして健康管理に務めています。
- 毎日の体温測定の結果は、ツイッターのハッシュタグ#毎日体温にて公表しています(個人的なページとなります)。現時点で重篤な罹患歴はありません。
- 信頼のおける情報取集手段として、各省庁や地元自治体のWebサイトの他、LINE上で東京都が運営している東京都 新型コロナ対策パーソナルサポートを活用しています。
安全で楽しいプラネタリウムを目指して
- 新型コロナウイルスの感染状況は日々変化しており、対策についても政府、医療機関、各自治体で必死の対応を実施しています。私たち国民も最大限の感染予防に務めています。当社は、疲弊している方に寄り添い、星を見る時間、宇宙を見つめる時間を通して、ふたたび心にゆとりを取り戻し、楽しく朗らかな日々を送る事ができるように、プラネタリウムの投映を通して貢献できればと考えております。